東方会方式とは
東方会(東方医学鍼灸臨床研究会)は、昭和45年に初代会長の小野文恵が、古典医学に基づく鍼灸治療を行える臨床家を育成することを目的に設立した経絡治療の一会派である。その特徴は、基本的な経絡治療から、病を気・血に弁別することで、「接触鍼法」「刺入鍼法」「特殊鍼法」「圓鍉鍼法」「留気鍼法」の26種類の鍼法と「灸法」を、病証により適宜選択し随証的に施術するところにある。
特に「接触鍼法」は、小野文恵が自身の臨床50年の中で内経医学において最も重要な「気」に着目し、それを目的・対象によって9種類に分けることで、一般的な散鍼や皮膚鍼を乗り越えた東方会独自の鍼法である。これらの鍼法を含め、診断から治療までを体系化した治療スタイルが「東方会方式」である。
東方会式接触鍼法の取り扱いについて
東方会方式による「接触鍼法」は、小野文恵の長年にわたる臨床経験を基盤とし、二代会長小野太朗により昭和53(1978)年に提唱された鍼法です。その後、東方会における臨床検討、教育、症例の蓄積を通じて継承・発展し、現在では東方会方式の中核をなす鍼法として位置づけられています。
「東方会」「東方会式接触鍼法」「経気補鍼」「正気補鍼」「陽気補鍼」「陰気補鍼」「陰陽交流鍼」「引気鍼」「散気鍼」「滑気鍼」「瀉邪鍼」は、令和5(2023)年に当会により商標登録されました。これは、当会が長年にわたり培ってきた治療体系の名称と学術的系譜を明確にし、正確な理解と適切な継承を図るためのものです。
論文、研究発表、症例報告、講演、研修資料、出版物、ウェブサイト等において、東方会方式による接触鍼法、または東方会で継承されてきた接触鍼法に言及される場合には、東方会方式との関係および出典を明記いただきますようお願いいたします。
また、東方会方式の接触鍼法を教育、講習、研修、事業活動等において紹介・指導する場合には、当会の趣旨および技術継承の経緯を尊重し、必要に応じて事前に当会へご相談ください。
本方針は、接触鍼法の臨床的・学術的発展を妨げるものではありません。むしろ、技術の由来、体系、名称を正確に示すことにより、東方会方式の接触鍼法がより適切に理解され、患者の利益に資する形で発展していくことを願うものです。
東方会方式における各鍼法について
接触鍼法9種、刺入鍼法6種、特殊鍼法6種、圓鍉鍼法4種、留気鍼法1種、の全26種の鍼法があり、治療方式と併せて体系化されている。
接触鍼法
鍼尖を全く切皮・刺入せず、ただ皮膚面に鍼尖を接触させ、軽い按圧を加えることにより諸々の気を動かすことを目標とする鍼法、をいう。
刺入鍼法
鍼体を体表より体内に刺入し、直接的に身体の血を動かすことを目標として行う鍼法をいう。
特殊鍼法
気血の鬱滞が甚だしく正攻法としての接触鍼法や刺入鍼法では充分な効果が上がらぬ場合で、病の転機をうながし、一種のショック療法的な方法として行う、特別・特殊な奇功法としての鍼法をいう。
圓鍉鍼法
一般で言う処の小児鍼をいう。*本会では圓鍼と鍉鍼を一本の鍼にまとめた「圓鍉鍼」を用いる。
留気鍼法
一般で言う処の「置鍼」とほぼ同じ意で、鍼を一定の深さに刺入し、そのまま一定時間鍼を留め置く方法をいう。*当会では短鍼(5〜10mm)を用いる。
